作品情報
制作・監督
ダニー・ボイル
代表作「トレインスポッティング」(96)、「スラムドッグ$ミリオネア」(08)
制作・脚本
リチャード・カーティス
音楽
ダニエル・ペンバートン
キャスト
ジャック役 ヒメーシュ・パテル
英ケンブリッジシャー出身。2007年にBBCの人気TVシリーズ「イーストエンダーズ」(07~16)のタムワー・マソオッド役で俳優デビュー。16年からは、チャンネル4のシットコム「Damned」(16~18)にレギュラー出演した。19年、ダニー・ボイル監督&リチャード・カーティス脚本で「ザ・ビートルズ」が存在しない世界に迷い込んだ売れないミュージシャンを描いた映画「イエスタデイ」の主役に抜てきされ、一躍有名に。次回作としてクリストファー・ノーラン最新作「TENET」の出演が報じられている。
エリー役 リリー・ジェームズ
英ロンドンのギルドホール音楽演劇学校在学中から舞台に出演。同校を卒業した2010年、「Just William(原題)」でTVドラマに初出演し、長編映画デビュー作「タイタンの逆襲」(12)でハリウッドに進出する。イギリスの人気TVシリーズ「ダウントン・アビー」(12~15)を経て、ディズニーの実写版「シンデレラ」(15)で主演の座を勝ち取り、一躍注目を集める。ゾンビ映画「高慢と偏見とゾンビ」(16)に主演したほか、英BBCの歴史ドラマ「戦争と平和」(16)や、エドガー・ライト監督の痛快カーアクション「ベイビー・ドライバー」(17)でヒロイン役を演じる。
あらすじ
ジャックが夢を諦めたその日、12秒間世界規模で謎の大停電が発生。
交通事故にあって目を覚ますと・・・
あのビートルズが世の中に存在していない!
世界中で彼らを知っているのは、ジャックひとりだけ。
ジャックがビートルズの名曲を歌うと、
ライブは大盛況、SNSで大反響、マスコミも大注目。
するとなんと、その曲に魅了された超人気ミュージシャン、エド・シーランから
ツアーのオープニングアクトを任されることに。
エドも嫉妬するほどのパフォーマンスを披露すると、
ついにメジャーデビューのオファーが舞い込んでくる。ー
個人的感想(ネタバレあり)
映像配信サービス「U-NEXT」で観賞。
本当は劇場で観たかった作品だったのですがなぜか観にいかなかったです。
あまり自分の中で海外アーティスト関連の映画への興味がなくなっていたのかも知れません。
大ヒットしたQueen「ボヘミアン・ラプソディ」、エルトン・ジョン「ロケットマン」、
モトリー・クルー「THE DIRT」など近年公開されて正直お腹いっぱい、、。
ただU-NEXTで今回の作品がレンタルできたので視聴してみました。
正直に言うとかなり面白かったです。
以降ネタバレ含みます。ご注意ください。
ストーリーは至って簡単。
なぜか大停電が起き、冴えないアマチュアシンガーである主人公以外の人々がビートルズの存在を知らない世界軸へ。
そこで主人公が友人の前で「yesterday」を歌うと感動させ、なんやかんやでビートルズの名曲のシンガーソングライターとして活動する。
最初はとても順調に活動を続けます。有名アーティスト、エドシーランに認められ、メジャーデビューも実現させます。
しかし主人公は悩みます。自分の本当の存在意義・価値。愛する人との距離。自分以外にもビートルズを知っている事を知り、糾弾されるのでは無いか。
最終的には自分の曲はオリジナルでは無い事を告白します。嘘をつくことをやめ、本当の愛を掴みます。
見どころ① ジャックの名曲たち
あえてジャックの名曲としました。
この作品は随所にビートルズの名曲が散りばめられています。当たり前ですが。(笑)
ストーリーを追うだけでなく、曲を聴くだけでも面白い作品です。
何より主演のヒメーシュ・パテルの声が心地よい。
主人公の性格ぴったり。両親思い、友人を大切にするなど歌声からでも分かるような。
キャスト選びドンピシャです。
是非、サントラを聴いてみてください。
見どころ② エド・シーランの存在
エドの映画上での立ち位置は過去のアイドルと現代のアイドルとの対比、
そして現代の音楽シーンにビートルズの曲は受け入れられるのかを分かりやすくしています。
エドが発掘していなければここまで大スターになっていなかったでしょう。
印象的な場面があります。
ジャックとエドは持ち時間10分でどちらが良い曲をかけるかを対決。
結果、ジャックは「the long and winding road」を選び、エドは完敗を認めます。
かなりセコいですが笑
音楽スキルでは勝敗はついたが、結局はジャックでは無くあくまでビートルズの曲としか見られていないことを表しているよう。
しかしどうでしょう。ビートルズの曲さえ歌えば成功するのでしょうか。
私は違うかなと。ジャックだから成功したのだと思います。
エドはビートルズの名曲を歌うジャックに惚れたのだから。
ただこのままレーベルの言われるまま音楽を発表していたらどうなっていたか気になります。
ビートルズの名盤ジャケットたちをダメ出ししまくるシーンは面白かったです。
音楽には勝敗は無く、今も昔も良い曲は良いのだ とこの映画が語っているように思えます。
見どころ③ 本当の愛
この作品の面白さってジャックとエリーのキャラクターだと思います。
普通ビートルズの曲を使えるなら使いまくってしまいそうですよね。
しかしジャックは全く天狗にならず、鳴かず飛ばずの無名時代と同じ顔、同じ服装。
マーケティング部門やプロデューサーにはダサいと言われる始末。
ジャックの本当の姿が見えていないんですね。所詮「商品」としか見えていない。
しかしエリーは小学生の頃にみたジャックそのままの姿を20年間見続けます。
そんなエリーを妹と思い続ける純粋なジャック。
有名になるにつれエリーとも離れてしまう。
エリーの思いを知り、ジャック自身もエリーに対する思いを再認識。
あの人物から愛することの素晴らしさを学びながら。
最後となるコンサートで「ALL YOU NEED IS LOVE(愛こそはすべて)」を歌います。
これはジャックが本人に向けた歌、そしてジャックの決断の現れです。
にくい演出です。
まとめ
ビートルズを知らない人でもオススメできる作品です。
逆に熱狂的なビートルズファンが見たらどうなんでしょうね。
私もビートルズが好きですがこの作品はとても面白かったです。
名曲たちのイメージが映画で出てきます。これを見るだけでも面白い。
毎日聴いてる曲がCMで流れたり、何かのテーマソングになったらイメージ変わりますよね。
この映画は素晴らしい。
ビートルズの曲に埋もれることのない愛の映画です。